「マンションのドア」を意識して見たことはありますか? 新築マンションや分譲マンションのリビングや各部屋のドア——その国内シェアNo.1を誇るのが ニホンフラッシュ株式会社(証券コード:7820)です。
フラッシュドア(中空構造の軽量木製ドア)という製品に特化し、 中国での大規模製造体制を活かして競争力のある価格と品質を実現してきました。 現在はPBR0.52倍という純資産を大きく下回る割安水準で取引されており、 配当利回りも5.08%と高水準です。
一方で2025/3期には純利益が▲27.9億円の赤字に転落するなど、 業績の波が大きい側面もあります。 今回はIRBANKのデータをもとに、割安の理由と今後の見通しをコアラ先生が徹底分析します。
基本情報
現在の株価・配当情報
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月22日時点のデータです。
| 指標 | ニホンフラッシュの数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
5.08%(予) | 3.5%以上 ✅ |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
71.75% | 40%以上 ✅ 非常に高い |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
18.31倍(予想) | 15倍以下が目安 ⚠️ やや高め |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.52倍 | 1.5倍以下 ✅ 大幅割安(純資産の半値以下) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
57.9%(2026/3期) ※2025/3期は赤字でも36円維持 |
20〜60% ✅ |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
2.83%(予想) | 8%以上 ❌ 低い水準 |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
+17.5億円(2026/3期) | プラス ✅ |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約181億円 | 500億円以上が目安 ⚠️ 小型株 |
10年グラフ(2016〜2025年3月期)
過去10年の配当金推移
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/3期 | 40円 | 基準年 |
| 2017/3期 | 40円 | 維持 |
| 2018/3期 | 50円 | 増配 +10円 |
| 2019/3期 | 50円 | 維持 |
| 2020/3期 | 55円 | 増配 +5円 |
| 2021/3期 | 28円 | 減配 ▲27円(コロナ禍) |
| 2022/3期 | 32円 | 増配 +4円 |
| 2023/3期 | 36円 | 増配 +4円 |
| 2024/3期 | 36円 | 維持 |
| 2025/3期 | 36円 | 維持(赤字でも維持)★ |
| 2026/3期 | 36円 | 維持 |
財務の安定性
ニホンフラッシュの財務上の最大の特徴は「自己資本比率70%超の盤石な財務基盤」です。 純利益が赤字になっても大きく財務が崩れなかったのは、この厚い自己資本があるためです。 一方で売上高は2020/3期(310億円)をピークに、2026/3期(235億円)まで減少が続いており、 事業の縮小トレンドは見過ごせません。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 自己資本比率 | ROE | 営業CF |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 206億 | 31.6億 | 23.5億 | 74.7% | 12.9% | +17.7億 |
| 2020/3期 | 310億 | 47.5億 | 33.3億 | 69.2% | 15.9% | +31.3億 |
| 2022/3期 | 331億 | 48.7億 | 38.4億 | 69.6% | 13.0% | +15.0億 |
| 2023/3期 | 273億 | 23.1億 | 18.8億 | 72.5% | 6.0% | +24.1億 |
| 2024/3期 | 259億 | 15.0億 | 13.3億 | 70.3% | 4.2% | +17.0億 |
| 2025/3期 | 240億 | 7.75億 | ▲27.9億 | 71.4% | 赤字 | +25.4億 |
| 2026/3期 | 235億 | 17.5億 | 14.2億 | 71.7% | 4.45% | +17.5億 |
2025/3期の赤字転落は、中国事業における不動産市場の低迷が主な要因とみられます。 中国は製造・販売の両面で重要な拠点であるため、中国不動産市場の動向が業績に直接影響します。 ただし営業CFは+25.4億円と安定しており、手元のキャッシュは充実しています。
2026/3期には営業利益17.5億円、純利益14.2億円と黒字回復しましたが、 ピーク時(2022/3期:売上331億、純利益38.4億)の水準にはほど遠く、 事業の本格的な回復にはまだ時間がかかりそうです。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
「PBR0.52倍」という数字が目を引きます。これは現在の株価が純資産(1株あたりの正味財産)の
半分以下しか評価されていないということ。仮に会社が今すぐ清算されても、
理論上は株価の2倍近い財産が戻ってくる計算です。
自己資本比率71%超という財務の強さを踏まえると、
「割安すぎる水準」であることは間違いありません。
初心者へのアドバイス:
日本のマンション着工戸数は長期的に縮小傾向にありますが、
リフォーム・リノベーション需要は根強く残ります。
「新築が減ってもリフォームで需要は続く」という視点で見ると、
事業の消滅リスクは低い業種です。
まず少額から保有し、中国事業の回復を確認しながら様子を見るアプローチが向いています。
注意点:
最大のリスクは中国不動産市場への依存です。
中国の不動産市場は構造的な過剰供給問題を抱えており、短期的な回復は見込みにくい状況です。
また売上が2020年のピーク(310億)から235億まで縮小を続けており、
ROEが2%台と極めて低い点も長期投資の観点では課題です。
「PBR割安=今すぐ上がる」ではありません。
割安が解消されるまでには時間がかかる可能性があります。
こんな方に向いている銘柄・向いていない銘柄
純資産の半値以下という歴史的な割安水準。財務が健全なまま割安状態が続いており、中長期での株価回復に期待できる方に。
マンション内装ドアのシェアNo.1という圧倒的な地位。リフォーム需要も取り込める事業基盤を長期保有で享受したい方に。
悪材料が出尽くした後の回復を狙うスタイルに向いています。中国事業の底打ちが確認できれば再評価の余地あり。
自己資本比率71%超・赤字でも配当維持という姿勢。財務の強さを盾に長期保有できる方に。
売上・利益の相当部分が中国事業に依存。中国不動産市場の長期低迷が続けば、業績回復が遅れます。
予想ROE2.83%は非常に低い水準。「資本効率の良い会社に投資したい」という方には不向きです。
売上は2020年ピーク(310億)から2026年(235億)まで下落基調。成長株を求める方には物足りない内容です。
PBR割安が解消されるには時間がかかります。「いつ上がるかわからない」状況に耐えられない方は不向きです。
📋 まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価ポイント | 判定 | コアラ先生のコメント |
|---|---|---|
| 財務の安定性 | ◎ 非常に高い | 自己資本比率71.75%・営業CF安定。赤字でも財務崩壊しない盤石な基盤。 |
| 配当の継続性 | ○ 良好 | 赤字転落でも36円を維持した実績。配当への意志は強い。ただし業績悪化が続けば限界あり。 |
| 収益性・ビジネスモデル | △ 回復途上 | マンション内装ドアNo.1の独自地位は本物。ただし売上縮小・ROE2%台と収益力の回復が最大課題。 |
| 割安感 | ◎ 大幅割安 | PBR0.52倍は純資産の半値以下。財務健全性と組み合わせると、バリュー投資の観点では際立つ割安水準。 |
| リスク | ✕ 要注意 | 中国不動産リスク・売上縮小トレンド・ROEの低さ・小型株流動性リスク。逆張り耐性が必要。 |
ニホンフラッシュは「マンション内装ドア国内No.1・自己資本比率71%超・PBR0.52倍」という 財務健全性と割安感を兼ね備えた独特なポジションにある銘柄です。
しかし中国不動産市場の低迷が業績を直撃しており、売上は2020年のピークから約25%縮小しています。 2026/3期に黒字回復したとはいえ、本格的な業績回復にはまだ道半ばです。
投資を検討する際は、まず①会社IRで中国事業の現状と今後の見通しを確認し、 ②少額の打診買いから始めるアプローチが現実的です。
「PBR0.52倍・配当利回り5%近く」という数字は確かに魅力的。 中国事業の底打ちと回復が確認できれば、株価の本格的な見直しが期待できる銘柄です。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/7820/dividend
財務データ:https://irbank.net/7820/results
トップページ:https://irbank.net/7820
株価データ
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/7820.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
現在の配当利回り(予)は36円 ÷ 712円 × 100 ≈ 5.06%です。
最新情報を確認する
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月22日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。当ブログは投資助言業者ではありません。
