岐阜県恵那市に本社を構える未来工業株式会社(証券コード:7931)。 「ミライラック」「ミライボックス」など、住宅・ビル・工場の電気配線や 水道設備を守る樹脂製部品を製造・販売するメーカーです。
建築現場を経験したことがある方なら、電気工事士さんが当たり前のように使っている オレンジ色のプラスチックボックスを見たことがあるかもしれません。 あの「ありふれた部品」こそが未来工業の主力製品です。 地味ですが、新築住宅が一棟建つたびに必ず使われる「なくてはならない部品」です。
しかしこの銘柄が高配当株投資家の間で注目を集めたのは、製品の地味さとは裏腹に 2024/3期に年間配当を50円から150円へ3倍増配したことです。 財務の安定性、割安な株価指標、そして株主への強い還元姿勢——。 コアラ先生がIRBANKのデータをもとに徹底解説します。
基本情報
現在の株価・配当情報
2023/3期まで50円だった年間配当金が、2024/3期に150円へ一気に3倍増配されました。 これは積み上げてきた内部留保と、ROEへの意識向上に伴う株主還元強化の表れです。 2025/3期も150円、2026/3期は145円(中間50円+期末95円)と高水準を維持。 一時的な「特別配当」ではなく、新しい還元水準を定着させた点が評価できます。
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月20日時点のデータです。
| 指標 | 未来工業の数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
約4.9%(2026/3期実績145円ベース) | 3.5%以上 ✅ |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
80.72% | 40%以上 ✅ |
| 有利子負債 (借金の少なさ) |
1.78億円(ほぼ無借金) | 低いほど良い ✅ |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
10.2倍(予) | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.86倍 | 1.5倍以下 ✅ |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
49.9%(2026/3期) | 20〜60% ✅ |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
8.7%(予) | 8%以上 ✅ |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
+70.8億円(2026/3期) | プラス ✅ |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約759億円 | 500億円以上 ✅ |
✅ 今回のスクリーニング指標は9項目すべてクリア。数値面では非常にバランスの取れた高配当株です。
10年グラフ
配当金推移(2016〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/3期 | 32円 | 基準年 |
| 2017/3期 | 32円 | 維持 |
| 2018/3期 | 32円 | 維持 |
| 2019/3期 | 40円 | 増配 +8円 |
| 2020/3期 | 40円 | 維持 |
| 2021/3期 | 40円 | 維持 |
| 2022/3期 | 50円 | 増配 +10円 |
| 2023/3期 | 50円 | 維持 |
| 2024/3期 | 150円 | 増配 +100円(3倍) |
| 2025/3期 | 150円 | 維持 |
| 2026/3期(実績) | 145円 | -5円(高水準維持) |
財務の安定性
未来工業の財務は、高配当株の中でもトップクラスの健全さを誇ります。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 自己資本比率 | 営業CF | 有利子負債 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016/3期 | 338億円 | 39.7億円 | 79.6% | +40.2億円 | 12.7億円 |
| 2018/3期 | 352億円 | 42.0億円 | 79.7% | +62.4億円 | 9.24億円 |
| 2020/3期 | 376億円 | 42.1億円 | 75.6% | +54.2億円 | 6.44億円 |
| 2022/3期 | 369億円 | 40.4億円 | 77.5% | +60.4億円 | 3.53億円 |
| 2024/3期 | 441億円 | 73.3億円 | 78.9% | +46.8億円 | 2.65億円 |
| 2025/3期 | 451億円 | 69.0億円 | 79.2% | +75.3億円 | 2.45億円 |
| 2026/3期 | 457億円 | 67.2億円 | 80.7% | +70.8億円 | 1.78億円 |
特筆すべき点が2つあります。ひとつは有利子負債の激減です。 2016/3期には12.7億円あった有利子負債が、2026/3期にはわずか1.78億円まで圧縮されました。 時価総額758億円の会社の借金が1.78億円というのは、ほぼ無借金と言っても過言ではありません。
もうひとつは自己資本比率の高さと安定性です。10年間を通じて75〜80%台を維持し続けており、 2026/3期には80.7%と直近10年で最高水準に達しています。 売上高も338億円から457億円へと約35%増加し、2024/3期には営業利益が73.3億円と大幅に拡大しました。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
未来工業の最大の魅力は、スクリーニング指標の9項目すべてをクリアするという「優等生ぶり」です。
自己資本比率80%超・有利子負債ほぼゼロ・PER10倍台・PBR1倍未満・ROE8%超——
これだけの条件が揃う高配当株はなかなかありません。
製品は地味ですが、新築住宅や工場に必ず使われる「必需品」という安定した需要基盤も魅力です。
初心者へのアドバイス:
「2024年に配当が3倍になった」と聞くと「もう遅い」と思うかもしれません。
しかし株価も連動して上昇した後、現在は調整局面にあります。
重要なのは「新しい配当水準(145〜150円)が定着するかどうか」。
財務を見るかぎり、この水準を維持する体力は十分あります。
長期保有で配当を積み上げるスタイルの方には、引き続き注目に値する銘柄です。
注意点:
2024/3期の大幅増配で株価が急騰し、その後は調整局面が続いています。
「3倍増配」のインパクトが薄れた後、株価がどこで底を打つかは不透明です。
また、住宅着工件数の減少が続く環境では売上の伸びに限界があり、
高い配当水準を維持するためには利益成長が必要です。
配当性向はすでに約50%と適正水準ですが、業績悪化時には配当見直しのリスクも念頭に置いてください。
最新情報は必ずIRBANKや会社のIRページでご確認ください。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/7931/dividend
財務データ:https://irbank.net/7931/results
トップページ:https://irbank.net/7931
株価データ
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/7931.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは2026/3期実績145円 ÷ 2,964円 × 100 ≈ 4.9%で計算しています(2026年5月20日時点)。
最新情報を確認する
最新の株価・配当情報は必ず以下でご確認ください。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月20日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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