「配当利回り5%超」「PBR1倍割れ」「自己資本比率70%超」——この3条件が揃った銘柄を探していたら、理想科学工業にたどり着きました。
今回紹介する理想科学工業(6413)は、「RISO(リソ)」ブランドのデジタル印刷機で知られる機械メーカーです。学校や官公庁で使われるリソグラフ(デジタル孔版印刷機)、カラーインクジェットプリンター「ORPHIS(オルフィス)」などが主力製品。本体を売った後もインクや感光紙などの消耗品で継続収益が入る「替え刃ビジネス」で、安定したキャッシュフローを生み出しています。
「印刷業界って長期的に縮小するのでは?」という疑問は当然です。その点も含めて、メリットとリスクを正直に解説します。
基本情報
どんな会社?
理想科学工業は1946年創業の印刷機械メーカーです。主力のリソグラフ(デジタル孔版印刷機)は、学校のプリントや官公庁の資料印刷など「大量印刷を低コストで行いたい」用途で圧倒的なシェアを誇ります。カラーインクジェットプリンター「ORPHISシリーズ」は医療・物流・金融など幅広い分野に導入されています。
ビジネスモデルの特徴は消耗品(インク・感光紙・ドラム)による継続収益です。一度機器を導入してもらうと、その後何年も消耗品が売れ続けます。これが安定したキャッシュフローの源泉です。海外展開(中国・東南アジア・インドなど)も積極的に進めており、国内市場縮小の影響を補っています。
- 自己資本比率72.3%——借金が少なく、財務が非常に健全
- PBR0.89倍——純資産より株価が低い「資産割安株」
- 営業CF75.1億円(2026/3期)——本業でしっかりキャッシュを稼ぐ
- 配当利回り5.11%——同規模の機械株と比べても高水準
現在の株価・配当情報
スクリーニング指標
高配当株選びの参考指標です。数値はすべて参考程度にご確認ください。
| 指標 | この銘柄の数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
5.10% | 3.5%以上 |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
72.3% | 40%以上 |
| 有利子負債倍率 (借金の多さ) |
約0.08倍 | 1倍以下 |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
14.85倍 | 15倍以下 |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.89倍 | 1.5倍以下 |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
72.8% | 20〜60% |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
5.96% | 8%以上 |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
プラス(75.1億円) | 必ずプラス |
| 連続増配年数 | 0年(2020年に大幅減配あり) | 10年以上で優良 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
696億円 | 500億円以上 |
10年グラフ
過去10年の配当金推移
| 年度 | 1株あたり配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016年3月期 | 60円 | 基準年 |
| 2017年3月期 | 60円 | 維持 |
| 2018年3月期 | 60円 | 維持 |
| 2019年3月期 | 60円 | 維持 |
| 2020年3月期 | 15円 | 大幅減配 |
| 2021年3月期 | 40円 | 増配 |
| 2022年3月期 | 100円 | 増配(75周年記念含む) |
| 2023年3月期 | 120円 | 増配 |
| 2024年3月期 | 100円 | 減配 |
| 2025年3月期 | 50円 | 維持(分割後) |
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄を選んだ理由:
配当利回り5%超・PBR1倍割れ・自己資本比率70%超という3条件が揃う銘柄はなかなかありません。理想科学工業はリソグラフという独自製品を持ち、消耗品ビジネスで安定的なキャッシュフローを稼ぐ企業です。「PBRが1倍を下回る=株価が純資産より安い」というのは、資産面での割安感を示しています。利回り5%超と合わせて、インカム投資家にとって検討価値があると判断しました。
初心者へのアドバイス:
配当利回り5.11%は魅力的ですが、その裏側にある配当性向72.8%には注意が必要です。利益の約73%を配当に充てているということは、業績が少し下振れするだけで配当が維持できなくなるリスクがあります。実際に2020年は60円→15円と4分の1以下に激減した実績があります。この株を検討するなら「業績が悪化しても保有し続けられる余裕資金で」というのが鉄則です。
注意点:
印刷業界は長期的に縮小トレンドにあります。学校のペーパーレス化・電子化が進めば、リソグラフの需要は構造的に減少する可能性があります。同社は海外展開や新製品開発で対応していますが、10年単位で見ると事業環境は厳しくなる可能性があります。また、ROEが5.96%と低めなのは、豊富な内部留保(現金)を有効活用できていないためです。この点は長期的な収益性の課題です。
こんな方に向いている / 向いていない銘柄
- 配当利回り5%超を重視するインカム投資家
- PBR1倍割れの割安株を探している方
- 自己資本比率70%超の財務健全企業が好みの方
- 消耗品ビジネスの安定収益モデルを評価できる方
- ポートフォリオに「高利回り・割安株」枠を設けたい方
- 連続増配を最重視している(2020年に大幅減配実績あり)
- ROE8%以上の高効率企業だけを選びたい方
- 印刷業界の長期縮小トレンドが不安な方
- 配当性向70%超が許容できない方
- 株価の大きな成長(キャピタルゲイン)を期待する方
まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価軸 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り | ★★★★★ | 5.10%は高配当株として最高水準。PBR割れとのセットで魅力的 |
| 財務健全性 | ★★★★☆ | 自己資本比率72.3%・有利子負債倍率0.08倍と良好。大崩れしにくい財務 |
| 増配継続性 | ★★☆☆☆ | 2020年に60円→15円と大幅減配。周年記念配当など特別要因が混在 |
| 割安度 | ★★★★☆ | PBR0.89倍(1倍割れ)・PER14.85倍と純資産比で割安な水準 |
| 成長性・収益性 | ★★☆☆☆ | ROE5.96%と低め。印刷業界の構造的縮小が長期的な収益の重し |
配当金・業績データ
IRBANK:https://irbank.net/6413/dividend
財務データ:https://irbank.net/6413/results
株価データ
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/6413.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 期末株価 × 100 = 配当利回り(%)
株式分割について
2025年1月に株式2分割(1:2)を実施。グラフ内の2016/3〜2024/3の株価・配当金は分割前の実績値です。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月26日時点のものです。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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