「配当利回り5%超で、PER8倍台の割安株——そんな銘柄があったら気になりませんか?」
今回紹介するタチエス(7239)は、ホンダ系の自動車シートを専業とする部品メーカーです。コロナ禍で業績が悪化し2021年には大幅減配を余儀なくされましたが、そこから会社が本気で変わりました。有利子負債を183億円から40億円へ急速に圧縮し、2022年以降は5年連続で増配を継続。今や配当利回り5.25%・PER8.56倍・PBR0.70倍という水準まで改善しています。
ただし、「景気敏感株」「ホンダへの高依存」「EV化リスク」という3つの不安要素があるのも事実です。コアラ先生がメリット・デメリットを包み隠さず解説します。
基本情報
タチエスはどんな会社?
タチエスは1954年創業の自動車シート専業メーカーです。みなさんが普段乗っているホンダの車——そのシート(座席)を設計・製造しているのがタチエスです。乗用車・軽自動車・商用車まで幅広く手がけており、国内だけでなくタイ・インドネシア・中国・メキシコなどグローバルに生産拠点を展開しています。
自動車シートは「安全性」「快適性」「軽量化」が年々厳しく求められる高度な製品です。しかも車種ごとに専用設計が必要なため、一度採用されると長期にわたって安定した受注が続く傾向があります。この「乗り換えコスト」の高さが参入障壁になっています。ただし売上の大半がホンダグループ向けであるため、ホンダの販売動向に業績が左右される構造は理解しておく必要があります。
- 有利子負債を大幅削減——2021年の183億円から2026年には40.6億円へと急速に改善
- 自己資本比率61.6%——製造業として十分な水準の安定財務
- 営業CF135.8億円(プラス)——実際の現金創出力も回復
- 2022年以降5年連続増配——2027/3期予想まで増配を継続
- 2021年に大幅減配(26円→6.5円)の前科あり——コロナ禍で業績が悪化し、約75%の減配を実施
- ホンダ依存度が高い——売上の大部分がホンダグループ向けであり、ホンダの業績変動がそのまま影響する
- EV化・自動車産業の構造変化リスク——ガソリン車からEVへの移行で自動車部品業界全体が変革期を迎えている
- PBR0.70倍の割安に潜むリスク——市場が低く評価している理由を理解したうえで投資を判断する必要がある
現在の株価・配当情報
スクリーニング指標
高配当株選びの参考指標です。数値はすべて参考程度にご確認ください。
| 指標 | この銘柄の数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
5.36% | 3.5%以上 |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
61.6% | 40%以上 |
| 有利子負債倍率 (純資産に対する借金の割合) |
0.04倍 | 1倍以下 |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
8.56倍 | 15倍以下 |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.70倍 | 1.5倍以下 |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
38.7% | 20〜60% |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
8.86% | 8%以上 |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
プラス(135.8億円) | 必ずプラス |
| 連続増配年数 | 2022年以降5年連続増配(2021年に大幅減配あり) | 10年以上で優良 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
756億円 | 500億円以上 |
10年グラフ
過去10年の配当金推移
| 年度 | 1株あたり配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2017年3月期 | 19円 | 基準年 |
| 2018年3月期 | 21円 | 増配 |
| 2019年3月期 | 25円 | 増配 |
| 2020年3月期 | 26円 | 増配 |
| 2021年3月期 | 6.5円 | 大幅減配 ▼75% |
| 2022年3月期 | 63.6円 | 大幅増配(特別配当含む) |
| 2023年3月期 | 73.6円 | 増配 |
| 2024年3月期 | 92.8円 | 増配 |
| 2025年3月期 | 103.8円 | 増配 |
| 2026年3月期(確定) | 105円 | 増配 |
| 2027年3月期(予想) | 115円 | 増配(予想) |
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄を選んだ理由:
タチエスを注目したのは「財務改善のスピード」です。2021年に183億円あった有利子負債が2026年には40.6億円まで激減——これはただの業績回復ではなく、会社が本気でバランスシートを改善してきた証拠です。配当利回り5.25%・PER8.56倍・PBR0.70倍という数値は、市場が過度に悲観していると見ることもできます。
初心者へのアドバイス:
タチエスは「景気敏感株」の典型です。自動車産業の波に乗れる局面では強いですが、景気後退・円高・EV化の加速などが重なると業績が急落するリスクがあります。高配当ポートフォリオに組み入れるなら、ディフェンシブ銘柄(食品・インフラ・医薬品など)とのバランスを取ることが大切です。
注意点:
2021年の減配は「景気が悪くなると配当を削ることがある」という事実を示しています。また、ホンダが主要顧客であるため、ホンダの業績・EV戦略・生産計画の変化が直接業績に影響します。EV化が進む中でシート需要がどう変化するかは中長期の注視ポイントです。
こんな方に向いている / 向いていない銘柄
- 配当利回り5%以上の高利回り銘柄を探している
- 財務改善のストーリー(有利子負債削減)に魅力を感じる
- PER8倍台・PBR0.7倍という割安水準を積極的に評価できる
- 景気敏感株のリスクを理解したうえでポートフォリオに分散投資する中上級者
- ホンダの底堅さを信じて自動車産業に強気な見方をしている
- 「10年間減配ゼロ」を絶対条件としている長期安定投資家
- 景気後退局面での急落・減配リスクを避けたい初心者
- EV化による自動車産業の先行きに不安を感じている
- ホンダ1社への高依存をリスクと考える分散重視の投資家
- ROE10%以上の高収益企業だけを選びたい方
まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価軸 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り | ★★★★★ | 5.36%は高配当株として十分な水準。配当性向38.7%で余裕あり |
| 財務健全性 | ★★★★☆ | 自己資本比率61.6%・有利子負債大幅削減と改善著しい |
| 増配継続性 | ★★★☆☆ | 2022年以降5年連続増配。ただし2021年の大幅減配前科あり |
| 割安度 | ★★★★★ | PER8.56倍・PBR0.70倍は明確な割安水準 |
| 成長性・収益性 | ★★☆☆☆ | ROE8.86%とぎりぎり。EPS回復途上。自動車産業の先行き不透明感あり |
配当金・業績データ
IRBANK:https://irbank.net/7239/dividend
財務データ:https://irbank.net/7239/results
株価データ
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/7239.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 年度末株価 × 100 = 配当利回り(%)
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年6月14日時点のものです。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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