本記事では魅力だけでなくリスクも正直にお伝えします。
「クレオ」という社名を聞いてピンとくる方は少ないかもしれません。しかし、 9期連続増配・配当利回り4.68%・自己資本比率73%・PER11倍という指標を並べると、 高配当株スクリーニングの基準をほぼすべてクリアする優等生銘柄であることがわかります。
株式会社クレオ(証券コード:9698)は、中小・中堅企業向けの 業務システムソフトウェア(財務会計・給与計算・人事管理など)を開発・販売するIT企業です。 地味な存在ながら、2017年から一度も減配せず増配を続けてきた 「静かな増配継続株」として、長期投資家の間で注目されています。 コアラ先生が気になったのはこの一点——「なぜこれほど割安に放置されているのか?」です。
クレオは1983年創業の業務ソフトウェア専業メーカーです。 主力製品は中小・中堅企業向けの財務会計・給与計算・販売管理・人事管理の統合業務システム「OPEN21シリーズ」。 毎月の給与計算・年末調整・決算処理など「企業が必ず行う定型業務」を支えるソフトウェアを提供しており、 一度導入したシステムは簡単には切り替えられません(スイッチングコストが高い)。 この「ストック型の収益構造」が、景気変動に左右されにくい安定した財務基盤の源泉です。 法改正(税制・労働法規)のたびにシステム更新需要が生まれるため、 既存顧客からの継続的な収益(保守・更新料)が経営を安定させています。
基本情報
現在の株価・配当情報
2026/3期の業績は売上146億円・営業利益11.9億円・純利益8.07億円・EPS104.25円と、 過去最高の純利益を達成しました。配当性向は52.7%と適正範囲内に落ち着いており、 「利益からしっかり配当を生み出している」健全な状態です。 2023/3期にEPS61円まで落ち込んだ際も55円以下に配当を抑えず増配した結果、 配当性向は65.6%まで上昇しましたが、その後の業績回復とともに正常化しています。
スクリーニング指標
数値はIRBANK・Yahoo!ファイナンスの2026年6月12日時点のデータです。
| 指標 | クレオの数値 | 目安・判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
4.69%(2027/3期予想56円ベース) | ✅ 3.5%以上(高水準) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
52.7%(2026/3期) 過去10年:31〜66%で推移(安定) |
✅ 20〜60%の適正範囲 |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
73.4%(2026/3期) | ✅ 40%以上(非常に高水準) |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
10.42%(2026/3期) 予想:10.59% |
✅ 8%以上 |
| PBR (株価純資産倍率) |
1.2倍 | ✅ 1.5倍以下(割安水準) |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
11.3倍(予想) | ✅ 15倍以下(割安・IT株として特に低い) |
| 連続増配年数 | 9期連続増配(2017〜2026年) | ✅ 長期増配トレンド継続 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約103億円 | 🔴 500億円未満(小型株・流動性低い) |
8項目中7項目クリア。時価総額の小ささのみが課題で、 それ以外の指標はほぼ満点に近い優等生です。 IT株でPER11倍・自己資本比率73%・9期連続増配という組み合わせは珍しく、 割安に放置されている理由が「知名度の低さ」にあると見ています。
10年グラフ(2017〜2026年度)
配当金推移(2017〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | EPS(1株利益) | 配当性向 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2017/3期 | 13円 | 約31円 | 41.8% | 基準年 |
| 2018/3期 | 15円 | 約37円 | 40.8% | 増配 +2円 |
| 2019/3期 | 25円 | 約80円 | 31.2% | 増配 +10円 |
| 2020/3期 | 35円 | 約88円 | 39.6% | 増配 +10円 |
| 2021/3期 | 38円 | 95円 | 40.0% | 増配 +3円 |
| 2022/3期 | 39円 | 80円 | 48.6% | 増配 +1円 |
| 2023/3期 | 40円 | 61円 | 65.6%(高め) | 増配 +1円 |
| 2024/3期 | 50円 | 90円 | 55.4% | 増配 +10円 |
| 2025/3期 | 51円 | 89円 | 57.2% | 増配 +1円 |
| 2026/3期(実績) | 55円 | 104円 | 52.7%(適正) | 増配 +4円(9期連続) |
財務の安定性と業績推移
売上は横ばいながら、利益の質と財務安定性は高水準を維持しています。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | EPS | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/3期 | 148億円 | 10.6億円 | 6.57億円 | 80円 | 71.6% | 9.39% |
| 2023/3期 | 147億円 | 9.04億円 | 4.87億円 | 61円 | 70.8% | 7.05% |
| 2024/3期 | 144億円 | 10.9億円 | 7.17億円 | 90円 | 72.5% | 9.83% |
| 2025/3期 | 145億円 | 11.3億円 | 6.96億円 | 89円 | 73.4% | 9.49% |
| 2026/3期(実績) | 146億円 | 11.9億円 | 8.07億円 | 104円 | 73.4% | 10.42% |
売上は144〜148億円と横ばいが続いていますが、 2026/3期の純利益8.07億円・EPS104円は過去最高水準を更新しました。 自己資本比率は71〜73%台で安定推移しており、 2023年の業績低下局面でも70%を維持した財務体力の高さが際立ちます。 ROEも9〜10%台と、過去10年間で8%を下回ったことが少ない安定した収益体質です。
🐨 コアラ先生のひとこと
コアラ先生の正直評価:
クレオはスクリーニングで調べると「なぜもっと注目されていないのか?」と思うほど、
各指標が整っています。9期連続増配・配当利回り4.68%・自己資本比率73%・PER11倍という組み合わせは、
財務・配当・割安感の三拍子が揃っています。
最大の弱点は時価総額103億円という規模の小ささですが、
長期保有を前提とした少額投資なら、この点はさほど問題になりません。
「地味だが実力がある」という意味で、コアラ先生が最も好きなタイプの銘柄です。
公務員投資家への視点:
クレオが提供する業務ソフトウェアは「経理・給与・人事」という企業の必須業務を支えており、
景気が悪くなっても需要がなくなりません(ディフェンシブなビジネス)。
この点は公務員投資家が好む「安定・継続性」と相性が良いです。
NISAの成長投資枠で少額から積み立て、配当を再投資するスタイルに適しています。
10期連続増配(2027年)が達成できれば、さらに注目度が上がる可能性があります。
こんな方には特に注意:
①時価総額103億円の小型株のため、まとまった金額(数百万円規模)を一度に投資すると
株価に影響が出る可能性があります。少額・分散投資が基本です。
②売上成長が止まっているため「株価の大幅上昇(キャピタルゲイン)」には期待しにくい銘柄です。
配当収入をコツコツ積み上げる「インカム投資」のスタンスで臨みましょう。
③クラウド会計サービスへの対応状況は会社IRで継続的に確認してください。
こんな方に向いている銘柄・向いていない銘柄
9期連続増配の実績は偶然ではなく、経営姿勢の反映です。10期・20期と積み上がるほど「配当の複利効果」が効いてきます。長期保有前提の方に向いています。
PER11倍・PBR1.2倍はIT・ソフトウェア株の中でも際立って低い水準です。成長性より割安感を重視する投資スタイルに合っています。
給与計算・財務会計ソフトは景気に左右されにくい必須業務。景気後退局面でも顧客が離れにくいビジネス特性が好みの方に向いています。
1株1,200円程度から購入可能。少額から始めて配当を再投資するスタイルにちょうどいい価格帯です。
時価総額103億円の小型株です。数百万円規模の投資は株価に影響することがあります。少額・分散投資が基本です。
売上が横ばいの成熟企業です。大きなキャピタルゲインは見込みにくく、配当収入をメインにする投資スタイルが合っています。
クレオは知名度が低い企業です。会社名・事業内容を調べて理解した上で投資する必要があります。「有名だから安心」という感覚では選ばない銘柄です。
1日の売買高が少なく、短期トレードには不向きです。じっくり長期保有する投資スタイルが合っています。
📋 まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価ポイント | 判定 | コアラ先生のコメント |
|---|---|---|
| 財務の安定性 | ◎ 非常に高い | 自己資本比率73%・IT企業としては異例の財務健全性。景気悪化時にも配当を守る体力がある。 |
| 配当の継続性 | ◎ 優秀 | 9期連続増配。業績悪化局面(2023年)でも減配せず増配を維持した実績は高く評価できる。 |
| 収益性・ビジネスモデル | ○ 安定的 | 給与・会計ソフトの保守型ビジネスで景気耐性が高い。ROE10%超と収益効率も良好。 |
| 割安感 | ◎ 割安 | PER11倍・PBR1.2倍はIT株として極めて低い水準。知名度不足による割安放置が続いている。 |
| リスク | △ 限定的 | 時価総額103億円の小型株リスクと売上成長の鈍さが主な懸念点。クラウド対応も注視が必要。 |
クレオは「地味で知名度が低いが、財務・配当・割安感の三拍子が揃った隠れ優良株」です。
9期連続増配・自己資本比率73%・PER11倍・ROE10%という組み合わせは、 コアラ先生が設定するスクリーニング基準のほぼすべてを満たしています。 唯一の弱点は時価総額103億円という小ささですが、 少額・長期投資を前提とすれば大きな問題にはなりません。
2027/3期に10期連続増配が達成されれば、 「連続増配10年以上の優良株」として注目度が高まる可能性があります。 その前に少額から仕込んでおく戦略は、インカム投資家として十分に合理的だとコアラ先生は考えます。
「有名じゃない・地味・小型株」という理由でスクリーニング結果を見落とさないでください。 高配当株投資の醍醐味は、こういった「知る人ぞ知る優良株」を早期に発見することにあります。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/9698/dividend
財務データ:https://irbank.net/9698/results
株式指標:https://irbank.net/9698/per
株価データ
期末株価はIRBANKの「配当利回り÷1株配当金」から逆算した参考値です。
正確な現在株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/9698.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 株価 × 100 = 配当利回り(%)
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年6月12日時点のものです(出典:IRBANK・Yahoo!ファイナンス)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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