本記事では魅力だけでなくリスクも正直にお伝えします。
東京都港区に本社を置くオリコン株式会社(証券コード:4800)。 「オリコンランキング」という音楽チャートで広く知られていますが、 現在の主力事業は「オリコン顧客満足度®」調査に代表されるリサーチ・データビジネスです。 消費者向け金融・保険・医療・住宅・教育など多分野で 「顧客満足度ランキング」を提供し、企業のマーケティングを支援しています。
高配当株として注目される理由は、配当利回り約4%・自己資本比率81%という 強固な財務基盤・ROE10%超の組み合わせです。一方で、 2026/3期に売上が急増したにもかかわらず純利益が大幅に落ち込むという特殊な動きがあり、 コアラ先生はこの点を正直にお伝えします。
オリコンは1967年に音楽業界向けランキング事業として創業。CDの売上集計「オリコンチャート」で 日本中に名前が広まりました。しかし音楽のデジタル化・ストリーミング化で CD市場が縮小するなか、2010年代から「顧客満足度調査」事業へのピボットに成功。 現在は「証券会社の顧客満足度」「住宅ローンの顧客満足度」「保険の顧客満足度」など 年間約400ジャンル・約65万人規模の調査データを持ち、 企業のブランドマーケティングに欠かせないBtoBデータプラットフォームに変貌しています。 この事業転換が高い収益性(ROE15〜25%)の源泉です。
基本情報
現在の株価・配当情報
2026/3期に急落した純利益は、2027/3期に売上65億円・営業利益16.4億円・純利益10.5億円・EPS81.79円への 大幅回復が予想されています(IRBANK掲載の会社予想)。 これが実現すれば配当性向は約44%(36円÷81.79円)と通常水準に戻り、 追加増配の可能性も出てきます。2026/3期の業績急落は一時的な特殊要因とみられ、 長期的な収益力は引き続き高いとコアラ先生は評価しています。
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月21日時点のデータです。
| 指標 | オリコンの数値 | 目安・判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
約3.9%(2026/3期実績36円・917円ベース) | ✅ 3%以上 |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
73.9%(2026/3期) 2027/3期予想:約44%(正常化見込み) |
⚠️ 75%未満ギリギリ(一時的要因) |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
81.8%(2026/3期) | ✅ 40%以上(非常に高水準) |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
10.77%(2026/3期) 2027予想:18.09% |
✅ 8%以上(通常15〜25%の高収益体質) |
| PBR (株価純資産倍率) |
2.03倍(2026/3期末) | 🔴 1.5倍超(高ROEの対価) |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
約11.2倍(2027予想EPS81.8円ベース) | ✅ 2027予想ベースでは割安水準 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約118億円 | ⚠️ 100億円以上(小型株・流動性リスクあり) |
| 減配なし(直近10年) | なし(2017〜2026/3期まで減配なし) | ✅ 業績悪化時も維持(2018・2021・2026は横ばい) |
8項目中6項目クリア。PBRが2倍超と高い点と時価総額の小ささが課題です。 ただしPBRの高さは「ROE15〜25%の高収益ビジネス」の対価であり、 2026年の配当性向73.9%は一時的要因であることを踏まえると、 2027年に向けての割安感が出てきています。
10年グラフ
配当金推移(2017〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | EPS | 配当性向 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2017/3期 | 10円 | 約23.7円 | 42.2% | 基準年 |
| 2018/3期 | 10円 | 約27.7円 | 36.1% | 維持 |
| 2019/3期 | 12円 | 約41.5円 | 28.9% | 増配 +2円 |
| 2020/3期 | 17円 | 55.7円 | 30.5% | 増配 +5円 |
| 2021/3期 | 17円 | 62.2円 | 27.3% | 維持(コロナ禍) |
| 2022/3期 | 23円 | 74.2円 | 31.0% | 増配 +6円 |
| 2023/3期 | 27円 | 82.5円 | 32.7% | 増配 +4円 |
| 2024/3期 | 29円 | 80.0円 | 36.3% | 増配 +2円 |
| 2025/3期 | 36円 | 76.4円 | 47.1% | 増配 +7円 |
| 2026/3期(実績) | 36円 | 48.7円 | 73.9%(特殊要因) | 維持(純利益急落も減配せず) |
| 2027/3期(予想) | — | 81.8円(予想) | 約44%(36円維持想定) | 業績回復・正常化へ |
財務の安定性と業績推移
小型株ながら、自己資本比率80%超・ROE10〜25%の高収益体質が特徴です。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | EPS | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022/3期 | 45.0億円 | 15.2億円 | 10.1億円 | 74.2円 | 82.2% | 24.57% |
| 2023/3期 | 48.8億円 | 17.7億円 | 11.1億円 | 82.5円 | 84.1% | 23.79% |
| 2024/3期 | 48.0億円 | 15.6億円 | 10.6億円 | 80.0円 | 86.1% | 20.34% |
| 2025/3期 | 49.2億円 | 14.0億円 | 9.92億円 | 76.4円 | 81.8% | 17.54% |
| 2026/3期 ⚠️ 純利益急落 | 63.2億円 | 15.4億円 | 6.25億円 | 48.7円 | 81.8% | 10.77% |
| 2027/3期(予想) | 65億円 | 16.4億円 | 10.5億円 | 81.8円 | — | 約18% |
2022〜2024年は売上45〜48億円・ROE20%超という安定した高収益フェーズでした。 2026/3期は売上が63.2億円(+28%増)と急拡大したにもかかわらず 純利益は6.25億円(-37%)と急落。これは新規事業への投資・M&A・ 特別損失などの非経常的な費用が発生した可能性を示唆しています。 詳細は会社IRページでご確認ください。
2027/3期の会社予想ではEPS81.8円への大幅回復が見込まれており、 一時的な利益急落と判断できる可能性が高いと見ています。 自己資本比率81.8%という強固な財務基盤は変わらず、 BPS452円に対し株価917円(PBR2.03倍)という高いROEを前提とした評価が継続しています。
🐨 コアラ先生のひとこと
コアラ先生の正直評価:
オリコンは「自己資本比率81%・ROE通常15〜25%・配当利回り約4%」という組み合わせが
ユニークな銘柄です。PBR2倍超は割高に見えますが、これは高ROEの対価です(ROE×PER=PBR)。
問題は2026/3期の純利益急落ですが、2027/3期予想でのEPS回復が実現すれば、
917円での購入は割安感があると見ています。2027予想PERは約11.2倍です。
注目ポイント:
①2026/3期の純利益急落の原因を会社IRで確認すること——特別損失・M&A・税金費用の
どれが原因かで将来の見通しが変わります。
②2027/3期の業績が会社予想通り回復するか——これが増配再開の鍵です。
③「顧客満足度」事業のグロース性——BtoBデータサービスとして成長余地があるか。
この3点を確認してから投資判断をすることをお勧めします。
こんな方には特に注意:
①時価総額118億円の小型株のため、1日の売買高が少なく
価格が動きやすいことを理解してください。
②音楽ランキング事業は縮小傾向にあり、顧客満足度事業への依存度が高まっています。
新規競合の参入や顧客満足度調査の市場変化には注意が必要です。
③2026年の売上急増の内訳と純利益急落の原因は、
投資前に必ずIRページで確認してください。
こんな方に向いている銘柄・向いていない銘柄
自己資本比率81%・実質無借金という盤石な財務基盤を重視したい方。万一業績が落ちても配当を維持できる体力があります。
2017年〜2026年まで一度も減配せず、着実に増配してきた実績。配当の安定感を重視する長期投資家に向いています。
2026年の純利益急落は一時的要因の可能性が高く、2027予想EPS81.8円への回復が実現すればPER11倍と割安水準です。
「顧客満足度®」調査という参入障壁の高いデータビジネスの成長性に賭けたい方。
時価総額118億円の東証スタンダード小型株です。流動性リスクを許容できない場合は不向きです。
PBR2.03倍は純資産の2倍以上の評価。「安く買いたい」という感覚では割高に映ります(高ROEの対価です)。
2026/3期の純利益急落の原因(特別損失・M&A等)が会社IRで未確認のまま投資するのは避けましょう。
1日の売買高が少ない小型株のため、まとまった数量の売買で株価が動きやすく、短期トレードには不向きです。
📋 まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価ポイント | 判定 | コアラ先生のコメント |
|---|---|---|
| 財務の安定性 | ◎ 非常に高い | 自己資本比率81%・実質無借金。高配当小型株の中でも群を抜く安全性。 |
| 配当の継続性 | ○ 良好 | 10年間減配なし。純利益急落の2026年も配当を維持した。財務余力の証明。 |
| 収益性・ビジネスモデル | ◎ 高収益体質 | 「顧客満足度®」という参入障壁の高いBtoBデータビジネス。通常ROE15〜25%。 |
| 割安感 | △ 条件付き | PBR2倍超は一見割高だが、2027予想EPS回復ならPER11倍。2026/3期落ち込みを織り込んだ現在株価には妙味。 |
| リスク | △ 要注意点あり | 小型株の流動性リスク、2026年純利益急落の原因が未解明な点は必ず確認を。 |
オリコンは「自己資本比率81%・10年減配なし・ROE通常15〜25%」という 小型株としては異例の優等生的プロフィールを持つ銘柄です。
2026/3期の純利益急落は不安材料ですが、2027予想でEPS81.8円への大幅回復が見込まれており、 現在の株価917円は「2027予想PER約11倍」という割安水準にあります。
投資を検討する際は、まず①2026年の純利益急落の原因を会社IRで確認し、 ②2027/3期の第1四半期決算で回復軌道にあるかを確認してから、 少額から始めるアプローチが王道です。
公務員投資家として長期で保有できる体力があるなら、 財務の強さと増配実績は「守り」として機能してくれる可能性が高い一銘柄と見ています。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/4800/dividend
財務データ:https://irbank.net/4800/results
株式指標:https://irbank.net/4800/per
株価データ
株価グラフはIRBANKの期末株価データを使用しています。
正確な現在株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/4800.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは36円 ÷ 917円 × 100 ≈ 3.9%(2026年3月末時点の株価基準)。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月21日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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