本記事では魅力だけでなくリスクも正直にお伝えします。
栃木県宇都宮市に本社を置くグランディハウス株式会社(証券コード:8999)。 栃木・茨城・群馬・埼玉・千葉などの北関東〜首都圏エリアで 新築一戸建て(建売住宅)・分譲地・注文住宅・建築請負を手がける住宅販売会社です。
この銘柄が高配当株として注目される理由は配当利回り6%超・PBR 0.61倍という 数字の魅力です。しかし、その背景を掘り下げると、 2024/3期・2025/3期の業績が急落し、純利益を大きく上回る配当を支払う状況が続いたことがわかります。
高い利回りには必ず理由があります。コアラ先生はその理由を隠さずお伝えしたいと思います。 魅力とリスクの両方をIRBANKのデータをもとに正直に解説します。
基本情報
現在の株価・配当情報
配当利回りが6%を超える銘柄は、通常「株価が下がった」か「配当を引き上げた」かのどちらかです。 グランディハウスの場合は①2024〜2025年に業績が急落し株価が下落した、 ②それでも配当32円を維持したという2つの要因が重なった結果です。 配当を維持したこと自体は株主への誠実な姿勢として評価できますが、 「なぜ株価が下がっているのか」の原因(=業績悪化)を無視して利回りだけで判断するのは危険です。 2026/3期でEPS31.74円まで回復し、配当32円とほぼ均衡しました。 今後の業績動向が配当の持続性を左右します。
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月21日時点のデータです。
| 指標 | グランディハウスの数値 | 目安・判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
約6.1%(2026/3期実績32円ベース) | 3.5%以上 ✅(高利回りの理由に注意) |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
36.5%(2026/3期) | ⚠️ 40%未満(住宅業で低め) |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
13.92倍(予想) | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.61倍(PBR1倍割れ) | 1.5倍以下 ✅✅(BPS868円に対して割安) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
100.8%(2026/3期) 2024/3期:220%・2025/3期:188% |
🔴 大幅超過(過去2年はタコ配状態) |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
3.64%(2026/3期)・4.37%(予想) | ⚠️ 8%未満(2022年まで9〜10%台だった) |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
+18.1億円(2026/3期) | プラス ✅(2024/3期はマイナスだった) |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約163億円 | 100億円以上 ✅(小型株) |
🔴 配当性向・ROE・自己資本比率の3指標がスクリーニング基準を下回っています。利回りの高さだけで判断せず、業績回復の持続性を見極めることが重要です。
10年グラフ
配当金推移(2016〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | EPS | 配当性向 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2016/3期 | 12円 | 60.2円 | 19.9% | 基準年 |
| 2017/3期 | 14円 | 60.6円 | 23.1% | 増配 +2円 |
| 2018/3期 | 16円 | 63.5円 | 25.2% | 増配 +2円 |
| 2019/3期 | 18円 | 71.6円 | 25.1% | 増配 +2円 |
| 2020/3期 | 23円 | 48.8円 | 47.1% | 増配 +5円 |
| 2021/3期 | 24円 | 59.3円 | 40.5% | 増配 +1円 |
| 2022/3期 | 30円 | 88.1円 | 34.1% | 増配 +6円 |
| 2023/3期 | 32円 | 74.5円 | 43.0% | 増配 +2円 |
| 2024/3期 | 32円 | 14.5円 | 220.1% | 維持(タコ配) |
| 2025/3期 | 32円 | 17.0円 | 188.1% | 維持(タコ配継続) |
| 2026/3期(実績) | 32円 | 31.7円 | 100.8% | 維持(収支均衡へ) |
財務の安定性と業績推移
2022年がピークで、その後の業績悪化と回復の経緯を確認します。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 自己資本比率 | ROE | 営業CF |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 447億円 | 27.0億円 | 18.3億円 | 41.0% | 9.44% | +21.6億円 |
| 2020/3期 | 455億円 | 21.4億円 | 14.1億円 | 39.2% | 6.43% | -25.5億円 |
| 2022/3期 | 549億円 | 40.2億円 | 25.8億円 | 40.4% | 10.51% | -4.4億円 |
| 2023/3期 | 552億円 | 33.3億円 | 21.7億円 | 36.0% | 8.29% | -88.5億円 |
| 2024/3期 | 515億円 | 11.8億円 | 4.2億円 | 33.6% | 1.66% | -22.2億円 |
| 2025/3期 | 540億円 | 12.1億円 | 4.9億円 | 36.2% | 1.96% | +86.4億円 |
| 2026/3期 | 530億円 | 18.9億円 | 9.2億円 | 36.5% | 3.64% | +18.1億円 |
2022/3期に営業利益40.2億円・ROE10.5%とピークを迎えましたが、 2024/3期には営業利益が11.8億円(前期比65%減)まで急落しました。 主な原因は建材価格の高騰による住宅価格上昇で北関東エリアでの販売が低迷したことと、 販売競争の激化です。繰り延べ税金資産の取り崩しによる税金費用増加も利益を押し下げました。
2026/3期は営業利益18.9億円と回復途上にありますが、 2022年のピーク(40.2億円)との比較ではまだ半分以下の水準です。 自己資本比率も36.5%と40%を下回っており、財務的な余裕は限られています。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄の正直な評価:
グランディハウスは「利回り6%・PBR0.6倍」という数字だけを見ると非常に魅力的です。
しかし、コアラ先生が重視する「業績の安定性」という観点では現時点では課題があります。
2024・2025年の業績悪化で純利益を上回る配当を出し続けた事実は、
財務の健全性を少しずつ損なっていきます。
2026/3期のEPS31.74円・配当32円は「ギリギリの均衡」であり、
業績がもう一度落ちれば減配の可能性があります。
買うなら何に注目すべきか:
もし投資を検討するなら、業績の本格回復を確認してから判断することをお勧めします。
具体的には、①営業利益が25億円以上を継続的に達成できるか、
②自己資本比率が40%台に回復するか、
③EPSが40〜50円以上になり配当性向が80%を下回るか——
この3点が揃えば、リスクが大きく改善されます。
2022年のようなROE10%超が再現できるかが長期的な鍵です。
こんな方には特に注意:
①「利回り6%=安定した高配当」と誤解している方。高利回りには必ず理由があります。
②時価総額163億円の小型株のため、売買高が少なく流動性リスクがあります。
③不動産・住宅株は金利上昇に敏感です。今後の金利動向によっては住宅需要がさらに落ち込む可能性があります。
リスクを十分に理解した上で判断してください。最新情報は必ずIRBANKや会社のIRページでご確認ください。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/E04044/dividend
財務データ:https://irbank.net/E04044/results
株式指標:https://irbank.net/E04044/valuation
株価データ
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/8999.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは2026/3期実績32円 ÷ 528円 × 100 ≈ 6.1%で計算しています(2026年5月21日時点)。
最新情報を確認する
最新の株価・配当情報は必ず以下でご確認ください。
【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月21日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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