神奈川県を地盤とする学習塾チェーン株式会社ステップ(証券コード:9795)。 県内の受験生なら一度は名前を聞いたことがある、あの「STEP」です。 厚木・伊勢原・秦野・海老名・相模原など神奈川県内を中心に約100校以上の校舎を展開し、 高校受験の合格実績で地域トップクラスを誇ります。
「学習塾が高配当株?」と意外に思う方もいるかもしれません。 しかし数字を見ると、ステップは非常に魅力的な財務体質を持つ企業です。 自己資本比率89.7%という圧倒的な無借金経営、 2016年から10年連続増配、 そして営業利益率23%超という製造業顔負けの収益力——。 コアラ先生がIRBANKのデータをもとに徹底解説します。
少子化が進む時代に教育株は厳しいのでは?という疑問も含め、正直に分析していきます。
基本情報
現在の株価・配当情報
ステップは長らく配当性向を約30%に抑える保守的な還元方針をとっていました。 しかし2023/9期に配当を46円→72円(+26円、+56.5%)と一気に引き上げ、 配当性向を約49%まで高める方針転換を実施。 2024/9期は77円、2025/9期は85円と増配を継続。2026/9期は88円の予想です。 「利益が出た分を株主に還元する」という姿勢が強まっており、 2016年から2026年まで10年連続で一度も減配なしという実績も際立ちます。
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月20日時点のデータです。
| 指標 | ステップの数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
約3.89%(2026/9期予想88円ベース) | 3.5%以上 ✅ |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
89.7%(2025/9期) | 40%以上 ✅ |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
12.54倍(2026/9期予想) | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
1.25倍 | 1.5倍以下 ✅ |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
約49.5%(2024/9期) | 20〜60% ✅ |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
9.81%(2025/9期) | 8%以上 ✅ |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
+33.8億円(2025/9期) | プラス ✅ |
| 連続増配年数 | 10年連続増配(2016〜2025年) | 継続性あり ✅ |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約371億円 | 100億円以上 ✅ |
✅ 今回のスクリーニング指標は9項目すべてクリア。財務・収益・還元のすべてのバランスが取れた優良高配当株です。
10年グラフ
配当金推移(2016〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/9期 | 30円 | 基準年 |
| 2017/9期 | 33円 | 増配 +3円 |
| 2018/9期 | 34円 | 増配 +1円 |
| 2019/9期 | 38円 | 増配 +4円 |
| 2020/9期 | 40円 | 増配 +2円(コロナ禍でも増配) |
| 2021/9期 | 45円 | 増配 +5円 |
| 2022/9期 | 46円 | 増配 +1円 |
| 2023/9期 | 72円 | 増配 +26円(+56%・方針転換) |
| 2024/9期 | 77円 | 増配 +5円 |
| 2025/9期 | 85円 | 増配 +8円 |
| 2026/9期(予想) | 88円 | 増配予想 +3円 |
財務の安定性
ステップの財務は、サービス業の中では圧倒的なレベルの健全さを誇ります。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2016/9期 | 101.8億円 | 24.5億円 | 24.1% | 16.7億円 |
| 2018/9期 | 110.3億円 | 26.8億円 | 24.3% | 18.6億円 |
| 2020/9期 | 109.3億円 | 19.3億円 | 17.7% | 13.4億円 |
| 2021/9期 | 130.4億円 | 35.1億円 | 26.9% | 24.7億円 |
| 2023/9期 | 144.4億円 | 31.9億円 | 22.1% | 24.1億円 |
| 2024/9期 | 151.0億円 | 35.1億円 | 23.2% | 25.1億円 |
| 2025/9期 | 158.5億円 | 37.8億円 | 23.9% | 26.9億円 |
| 2026/9期(予) | 164.9億円 | 39.4億円 | 23.9% | 27.5億円 |
注目すべきは営業利益率の高さと安定性です。 2016/9期から2025/9期まで、概ね22〜27%の営業利益率を維持しています。 製造業でさえなかなか実現できない水準です。 集団指導塾の強みは、1クラスに生徒が集まれば集まるほど利益率が上がる「スケールメリット」にあります。
2020/9期はコロナ禍による緊急事態宣言で一時的に業績が落ち込みました(売上109.3億円、営業利益率17.7%)。 しかし2021/9期にはV字回復し、売上130.4億円・営業利益35.1億円と過去最高水準を更新。 その後も右肩上がりの成長が続き、2026/9期には売上164.9億円・営業利益39.4億円を予想しています。
「少子化が進む中、学習塾は大丈夫?」——これはよく受ける質問です。 確かに子どもの数は減少しています。しかし1人あたりの教育費は増加傾向にあり、 塾に通わせる家庭の割合(受験率)は上昇が続いています。 さらにステップが展開する神奈川県は首都圏の中でも人口が多く、 子どもの絶対数がすぐに大幅減少するエリアではありません。 売上が2016年の101.8億円から2025年の158.5億円へ10年で約56%増加していることが、 その証明です。ただし長期的な少子化リスクは引き続き注視が必要です。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
教育株というと「少子化で将来が不安」と敬遠されがちですが、ステップの財務を見ると話が変わります。
自己資本比率89.7%・10年連続増配・営業利益率23%超・PER12倍——これだけの指標が揃う銘柄は珍しいです。
しかも2023年に配当性向を引き上げ、株主への姿勢が明確に変わったことが大きなポイント。
「知る人ぞ知る」地方優良企業がひっそりと高配当株になっているパターンです。
初心者へのアドバイス:
神奈川県在住の方や、地元の教育ブランドに信頼感がある方には特に親しみやすい銘柄です。
ビジネスモデルが「地域の子どもを集めて勉強を教える」というわかりやすいシンプルさも魅力。
配当は年2回(中間・期末)受け取れます。
長期保有でじっくり配当を積み上げたい方に向いていると思います。
注意点:
①少子化の長期的影響は無視できません。神奈川県でも数十年後には子どもの数が減少するリスクがあります。
②ステップの事業エリアは神奈川県内が中心で、地域集中リスクがあります。全国展開していないため、
県内の競合(他塾・オンライン学習サービス)の台頭が業績に影響する可能性があります。
③時価総額371億円とやや小さめのため、機関投資家の注目度は低く流動性には注意が必要です。
最新情報は必ずIRBANKや会社のIRページでご確認ください。
こんな方に向いている銘柄・向いていない銘柄
自己資本比率89.7%・ほぼ無借金経営は上場企業の中でもトップクラス。「倒産リスクをとにかく下げたい」という守り重視の投資家に最適です。
コロナ禍の2020年でも増配を貫いた実績は本物。「景気が悪くても配当を削らない企業」を探している方にぴったりです。
「神奈川の子どもを集めて勉強を教える」というシンプルなモデル。事業内容が直感的に理解でき、長期保有の心理的ハードルが低いです。
PBR1.25倍・PER12.54倍と9指標すべてが基準をクリア。「安全マージンを確保した上で買いたい」バリュー投資家に向いています。
現在の配当利回りは約3.89%と高配当の基準(3.5%)は超えていますが、5%台の銘柄と比べると見劣りします。株価が上昇するほど利回りは低下します。
神奈川県内に特化した地域集中型のビジネスモデルです。全国展開や新規事業への期待感はほぼなく、成長ストーリーは限定的です。
長期的に子ども人口が減少することは避けられません。20〜30年後の事業環境を悲観する方には厳しい判断になるかもしれません。
ROE9.81%は健全ですが突出した水準ではありません。「資本効率が高い成長株」を求める方には、学究社(ROE26%)のほうが刺さるかもしれません。
📋 まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価ポイント | 判定 | コアラ先生のコメント |
|---|---|---|
| 財務の安定性 | ◎ 突出 | 自己資本比率89.7%・ほぼ無借金はサービス業で最高水準。金利上昇や景気後退の影響をほとんど受けない鉄壁の財務基盤。 |
| 配当の継続性 | ◎ 優秀 | 2016年から10年間一度も減配なし。コロナ禍でも増配を貫き、2023年に大幅増配方針に転換。配当への強いコミットメントが伝わる。 |
| 収益性・ビジネスモデル | ○ 良好 | 営業利益率23%超を10年維持。神奈川No.1ブランドの集団指導塾は、スケールメリットが働く収益性の高いモデル。ROE9.81%は堅実。 |
| 割安感 | ○ 良好 | PBR1.25倍・PER12.54倍とスクリーニング9指標すべてクリア。自己資本比率89%の企業がPBR1倍台で買えるのは割安感あり。 |
| リスク | △ 注意点あり | 神奈川県特化の地域集中リスク・少子化の長期的影響・時価総額371億円の小型株という3点は理解して保有を。 |
ステップは「財務・還元・割安感」の三拍子が揃った、教科書的な優良高配当株です。
自己資本比率89.7%という圧倒的な財務の安定性は、長期保有でじっくり配当を積み上げたい方に大きな安心感を与えます。 10年連続増配の実績と2023年の方針転換(配当性向を約30%→約50%に引き上げ)は、 株主還元への本気度を示す証拠です。
利回りが3.89%と4%に届かない点と、神奈川県特化の地域集中リスクは差し引く必要がありますが、 その代わりに得られる「倒産リスクが極限まで低い高配当株」という希少性は他にはなかなかありません。
少子化を承知の上で、①神奈川の受験熱が続く限り業績は安定、②増配ペースを信じて長期保有—— このシンプルな戦略が、ステップへの投資の王道だとコアラ先生は考えます。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/E04925/dividend
財務データ:https://irbank.net/E04925/results
トップページ:https://irbank.net/E04925
株価データ
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/9795.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは2026/9期予想88円 ÷ 約2,241円 × 100 ≈ 3.93%で計算しています(2026年6月21日時点)。
最新情報を確認する
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月20日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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