名古屋市中区に本社を構えるキムラユニティー株式会社(証券コード:9368)。 トヨタ自動車グループを主要取引先とする、東証スタンダード上場の物流企業です。 時価総額約414億円の中堅企業ながら、堅実な財務と着実な増配で 高配当株投資家からじわじわと注目を集めています。
事業は「物流サービス」を中心に、車検・整備などの「モビリティサービス」、 「情報サービス」、「人材サービス」の4本柱。 自動車部品の物流を軸に、トヨタ自動車グループ向けの売上が全体の約40%を占める、 いわばトヨタ経済圏に根ざした物流インフラ企業です。
コアラ先生がこの銘柄に注目した理由は3つ。PBR 0.82倍という1倍割れの割安水準、 現金113億円に対して有利子負債わずか26億円という実質無借金の非常に健全な財務、 そして2027年3月期予想で配当利回り4.3%超という高配当。 IRBANKとYahoo!ファイナンスのデータをもとに徹底解説します。
キムラユニティーは近年、2022年7月1日と2025年4月1日の2回、 いずれも「1株→2株」の株式分割を実施しています(合計で1株が4株に)。
株式分割が入ると、1株あたりの配当金は見かけ上小さくなります(株数が増えるため)。 そこで本記事では、過去の配当金をすべて現在の株数に合わせた「分割調整後」の値に そろえて掲載しています。こうすることで、実際に株主が受け取ってきた配当の「増減の流れ」を 正しく比較できます。
なお、IRBANKなどで表示される数値は調整の基準が異なる場合があります。 ご自身で確認される際は「分割調整後」かどうかにご注意ください。
基本情報
現在の株価・配当情報
キムラユニティーの魅力は、①PBR0.82倍(解散価値を下回る割安)、 ②現金113億円>有利子負債26億円の実質無借金、 ③2027/3期予想で配当利回り4.32%という3点が同時にそろっている点です。 さらに2026/3期は売上645億円・営業利益49.6億円と過去最高の業績を更新。 トヨタグループの生産を支える安定ビジネスでありながら市場からの評価は割安なままで、 「割安・好財務・高配当」を1銘柄で満たす、地味だが実力派の高配当株といえます。
スクリーニング指標
数値はIRBANK/Yahoo!ファイナンスの2026年7月1日時点のデータです。
| 指標 | この銘柄の数値 | 目安 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
4.32% | 3.5%以上 |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
62.1% | 40%以上 |
| 有利子負債倍率 (純資産に対する借金の割合) |
約0.05倍(ネットキャッシュ) | 1倍以下 |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
9.39倍 | 15倍以下 |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.82倍 | 1.5倍以下 |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
43.6% | 20〜60% |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
7.23% | 8%以上 |
| 営業キャッシュフロー (実際の現金の流れ) |
プラス(純利益は黒字を継続・現金113億円) | 必ずプラス |
| 連続増配年数 | 分割調整ベースで2019年以降 減配なし(約8期の増配基調) | 10年以上で優良 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約414億円 | 500億円以上 |
ROEが7%台とやや低めですが、これは物流業の特性によるものです。 トラック・倉庫・土地などの多額の固定資産と、厚い自己資本(自己資本比率62%)を抱えるため、 分母の自己資本が大きくなり、ROEが下がりやすい構造です。 裏を返せば「借金に頼らず自己資本で堅実に稼ぐ会社」であり、 単純に他業種と比べてNG判定とするのは適切ではありません。
10年グラフ
配当金推移(2016〜2027年度・分割調整後)
※以下の配当金はすべて分割調整後(現在の株数ベース)の数値です。2回の株式分割の影響で小数(例:6.75円)になっている年があります。実際に株主が受け取ってきた配当の「増減の流れ」を正しく比較するための表示です。
| 年度 | 1株あたり年間配当金 (分割調整後) | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/3期 | 6.75円 | 基準年 |
| 2017/3期 | 6.75円 | 維持 |
| 2018/3期 | 6.75円 | 維持 |
| 2019/3期 | 8.00円 | 増配 +1.25円 |
| 2020/3期 | 9.50円 | 増配 +1.5円 |
| 2021/3期 | 10.00円 | 増配 +0.5円 |
| 2022/3期 | 13.00円 | 増配 +3円 |
| 2023/3期 | 21.00円 | 増配 +8円(+62%) |
| 2024/3期 | 27.50円 | 増配 +6.5円 |
| 2025/3期 | 31.50円 | 増配 +4円 |
| 2026/3期(確定) | 34.00円 | 増配 +2.5円 |
| 2027/3期(予想) | 38.00円 | 増配予想 +4円 |
財務の安定性と業績推移
トヨタグループを基盤とする安定ビジネスを背景に、売上・利益ともに長期的な右肩上がりが続いています。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 2022/3期 | 570.8億円 | 29.4億円 | 21.8億円 | 約60% |
| 2023/3期 | 591.4億円 | 32.7億円 | 24.7億円 | 約61% |
| 2024/3期 | 614.9億円 | 41.1億円 | 31.7億円 | 約61% |
| 2025/3期 | 611.3億円 | 46.0億円 | 33.0億円 | 約62% |
| 2026/3期 | 645.5億円 | 49.6億円 | 32.0億円 | 62.1% |
2026/3期の業績は売上645億円・営業利益49.6億円と過去最高を更新しました。 営業利益は2022/3期の29.4億円から4期で約1.7倍に拡大しており、 「物流2024年問題」による運賃改定や、車検・整備などモビリティ事業の拡大が 収益を押し上げています。
財務面では、自己資本比率62.1%・有利子負債26.3億円に対して現金等113.3億円と、 手元資金が借入金を大きく上回る「実質無借金」の状態です。 この非常に健全な財務が、コロナ禍でも減配しなかった安定配当の裏付けになっています。 BPS(1株純資産)は1,076円で、株価879円はこれを下回る(PBR0.82倍)水準です。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
キムラユニティーの魅力は「割安・好財務・高配当」の三拍子がそろっている点です。
PBR0.82倍は会社の解散価値を株価が下回っていることを意味し、
現金が借金を上回る実質無借金の財務は不況にも強い。
そのうえで2027/3期予想の配当利回りは4.3%超。
派手さはありませんが、トヨタグループの生産を足元で支える安定ビジネスを、
割安なうちに仕込めるのが最大の妙味です。
初心者へのアドバイス:
「自動車部品の物流」という一見地味なビジネスですが、
世界最大級のトヨタグループが取引先という安心感は大きいです。
コロナ禍でも減配せず、むしろ増配を続けてきた実績は、
長期でコツコツ配当を受け取りたい高配当株投資家にぴったり。
東証スタンダードの中型株なので値動きはやや大きめですが、
財務の堅さがクッションになってくれます。
注意点:
①トヨタグループへの売上依存度が約40%と高く、自動車の生産調整やEV化の影響を受けやすい構造です。トヨタの減産局面では物流量も減るリスクがあります。
②ROEが7%台とやや低めで、資本効率の改善が株価上昇の鍵になります。
③東証スタンダードの中型株のため、大型株に比べると売買のしやすさ(流動性)は劣ります。
最新情報は必ずIRBANKや会社のIRページでご確認ください。
こんな方に向いている / 向いていない銘柄
- 財務の安定性(実質無借金・自己資本比率62%)を最重視する堅実派
- PBR1倍割れ・PER9倍台の割安株をじっくり仕込みたい
- 「減配しない会社」を長期で持ち続けたい配当再投資派
- トヨタグループの底堅さ・日本のモノづくりに共感できる
- 大型株だけでなく中型の割安株にも分散したい中級者
- 配当利回り5%以上の超高利回りだけを狙いたい
- 自動車産業のEV化・生産調整リスクを避けたい
- 特定企業(トヨタ)への依存度が高い銘柄を敬遠したい
- ROE10%以上の高収益・高成長企業を選びたい
- 売買のしやすい大型株・値動きの小ささを重視する初心者
まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価軸 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り | ★★★★☆ | 4.32%(2027予想)は高配当株として十分。配当性向43.6%で余裕あり |
| 財務健全性 | ★★★★★ | 自己資本比率62.1%・現金113億円>有利子負債26億円の実質無借金 |
| 増配継続性 | ★★★★☆ | 分割調整後で2019/3期以降減配なし。コロナ禍も減配せず増配継続 |
| 割安度 | ★★★★★ | PER9.39倍・PBR0.82倍は明確な割安水準(解散価値以下) |
| 成長性・収益性 | ★★★☆☆ | 営業利益は過去最高を更新。ただしROE7.23%とやや低め・トヨタ依存度が高い |
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/9368/dividend
財務データ:https://irbank.net/9368/results
株価・株式指標データ(出典:Yahoo!ファイナンス)
株価・PER・PBR・時価総額:https://finance.yahoo.co.jp/quote/9368.T
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した分割調整後の概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
株式分割について
本記事の1株配当金は、2022年7月1日(1→2)・2025年4月1日(1→2)の
2回の株式分割を反映した「現在株数ベースの分割調整後」の値です。
IRBANK等の表示は調整基準が異なる場合があります。
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは2027/3期予想38円 ÷ 879円 × 100 ≈ 4.32%で計算しています(2026年7月1日時点)。
最新情報を確認する
最新の株価・配当情報は必ず以下でご確認ください。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年7月1日時点のものです(出典:IRBANK/Yahoo!ファイナンス)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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