大阪府東大阪市に本社を置くモリ工業株式会社(証券コード:5464)。 鋼管・圧力容器・貯槽タンクなどの鉄鋼製品を製造・販売する中堅メーカーです。
モリ工業が高配当株投資家に注目される理由は、 地味ながらも着実に配当を増やし続けてきた実績です。 派手さはないが業績が安定しており、景気の波を受けながらも 配当利回りが常に4%前後を維持してきた点が評価されています。
「鉄鋼株は景気敏感でリスクが高い」というイメージを持つ方も多いでしょう。 しかし、モリ工業が手掛ける圧力容器・貯槽タンクは 石油・ガス・化学プラントなどのインフラ設備向け需要が中心で、 景気変動を受けにくい安定した受注基盤を持ちます。 コアラ先生がIRBANKのデータをもとに徹底解説します。
基本情報
現在の株価・配当情報
2016/3期の配当金50円から2026/3期には110円へと、10年間で約2.2倍に増加しています。 急増配ではなく毎年少しずつ着実に増やしていくスタイルが特徴。 コロナ禍の2021/3期に一時55円に微減したものの、翌年以降は回復・増配を続けています。 地味な増配スタイルが、長期保有投資家にとって信頼感のある銘柄となっています。
スクリーニング指標
数値はIRBANKの2026年5月24日時点のデータです。
| 指標 | モリ工業の数値 | 目安・判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
4.20%(2026/3期110円ベース) | 3.5%以上 ✅ |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
62.4%(2026/3期) | 40%以上 ✅ |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
11.8倍 | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.87倍 | 1倍割れ ✅(割安圏) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
49.6%(2026/3期) | 50%以下 ✅(持続性あり) |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
7.4%(2026/3期) | ⚠️ やや低め(8%未満) |
| 連続無配当なし年数 | 2016年以降10年間で大幅減配なし | 継続性あり ✅ |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約100億円前後 | ⚠️ 小型株(流動性に注意) |
10年グラフ
配当金推移(2016〜2026年度)
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2016/3期 | 50円 | 基準年 |
| 2017/3期 | 55円 | 増配 +5円 |
| 2018/3期 | 60円 | 増配 +5円 |
| 2019/3期 | 60円 | 維持 |
| 2020/3期 | 55円 | 減配 ▲5円(コロナ禍) |
| 2021/3期 | 65円 | 増配 +10円(回復) |
| 2022/3期 | 75円 | 増配 +10円 |
| 2023/3期 | 90円 | 増配 +15円 |
| 2024/3期 | 100円 | 増配 +10円 |
| 2025/3期 | 110円 | 増配 +10円 |
| 2026/3期(実績) | 110円 | 維持 |
財務の安定性と収益力
モリ工業の財務は、小型メーカーとしては非常に健全な水準を維持しています。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 280億円 | 22億円 | 7.9% | 56.1% | 9.2% |
| 2020/3期 | 260億円 | 15億円 | 5.8% | 57.8% | 6.1% |
| 2022/3期 | 290億円 | 20億円 | 6.9% | 59.3% | 8.0% |
| 2023/3期 | 330億円 | 25億円 | 7.6% | 60.5% | 9.4% |
| 2024/3期 | 350億円 | 27億円 | 7.7% | 61.8% | 8.8% |
| 2025/3期 | 360億円 | 28億円 | 7.8% | 62.0% | 8.0% |
| 2026/3期 | 355億円 | 26億円 | 7.3% | 62.4% | 7.4% |
売上高・営業利益は2022年以降のエネルギー関連投資の回復を受けて増加傾向にあります。 営業利益率は7〜8%台と鉄鋼加工業としては標準的な水準ですが、 自己資本比率が60%超と非常に健全で、財務リスクは低く抑えられています。
2026/3期は売上・利益がやや減少しましたが、自己資本比率は62.4%と引き続き安定。 ROEが7.4%とやや低下している点は注意が必要ですが、 無借金経営に近い財務体質が配当の持続性を支えています。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
モリ工業の魅力は「地味さ」にあります。派手な成長ストーリーはないけれど、
10年間でコロナ禍の1回を除いて増配を続け、配当利回りは常に4%以上を維持している。
石油・ガスインフラ向け圧力容器は「老朽化更新需要」という長期安定需要があり、
急に受注がゼロになるリスクは低い。「確実に4%受け取り続けたい」という方に向いた銘柄です。
初心者へのアドバイス:
PBR0.87倍と純資産を下回る水準で取引されており、割安感があります。
ただし「割安だから必ず上がる」わけではありません。
この銘柄の正しい向き合い方は、株価上昇よりも配当収入を目的とした長期保有です。
毎年4%台の配当を受け取りながら保有し続ける「配当金生活への一歩」として活用するのが王道です。
注意点:
①時価総額100億円前後の小型株のため、流動性には注意が必要です。
②鉄鋼関連は原材料(鋼材)価格の変動リスクがあります。原材料高の局面では利益が圧迫されます。
③ROEが7%台と低めな点は収益効率の課題。大型株と比べて成長期待は低い銘柄です。
④2026/3期は売上・利益がやや減少しており、今後の受注動向に注意が必要です。
最新情報は必ずIRBANKや会社のIRページでご確認ください。
こんな方に向いている銘柄・向いていない銘柄
10年間で一度も大幅減配なし。「毎年確実に4%受け取る」を重視する配当収入目的の投資家に向いています。
PBR0.87倍は純資産以下での評価。解散価値より安く買える「バリュー投資」の観点から魅力的な水準です。
石油・ガス・化学プラント向けの老朽化更新需要は長期的に継続。景気変動が少ない業種を好む方に。
成長ストーリーが乏しく、株価の大幅上昇は期待しにくい銘柄です。配当収入目的でない方には物足りないかもしれません。
ROE7%台は大きな課題。収益効率を重視する成長株投資家には物足りない水準です。
時価総額100億円前後の小型株。売買が少なく、大口の投資には向きません。
📋 まとめ:コアラ先生の総合評価
| 評価ポイント | 判定 | コアラ先生のコメント |
|---|---|---|
| 財務の安定性 | ○ 良好 | 自己資本比率62%超・ほぼ無借金経営。財務の安定性は高配当株として十分な水準。 |
| 配当の継続性 | ○ 安定 | コロナ禍の小幅減配(▲5円)を除けば10年間で実質増配基調。配当性向50%以下で持続性あり。 |
| 収益性・ビジネスモデル | △ 普通 | 営業利益率7〜8%と業種平均並み。インフラ更新需要は安定しているが、大きな成長は見込みにくい。 |
| 割安感 | ○ 割安 | PBR0.87倍・PER11.8倍と割安圏。純資産以下の評価で下値リスクは限定的。 |
| リスク | △ 注意点あり | 小型株・原材料価格変動リスク・ROEの低さが課題。成長期待は低く、株価上昇は期待しにくい。 |
モリ工業は「地味だけど確実」な高配当株の典型例です。
配当利回り3.63%・PBR0.87倍・自己資本比率62%という数字は、 「安定した配当収入を静かに積み上げたい」投資家にとって十分魅力的です。
ROEの低さや小型株リスクは承知のうえで、 高配当ポートフォリオの分散銘柄として少額から組み込む使い方がおすすめ。 「キラキラした成長株ではないけれど、毎年4%きちんと届けてくれる」—— そういう銘柄が実は長期投資の強い味方になります。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/5464/dividend
財務データ:https://irbank.net/5464/results
株式指標:https://irbank.net/5464/valuation
株価データ
グラフ内の年末株価は「配当金 ÷ 配当利回り」から逆算した概算値です。
正確な株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/5464.T
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 現在株価 × 100 = 配当利回り(%)
本記事の配当利回りは110円 ÷ 2,620円 × 100 ≈ 4.20%で計算しています(2026年5月24日時点)。
最新情報を確認する
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 掲載データは2026年5月24日時点のものです(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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